白人のトニーと黒人のシャーリーの心の触れ合いを描いた映画 シャーリーは世界的なジャズピアニストでトニーは彼の演奏旅行のための車の運転手となる シャーリーは教養があり礼儀が正しく冷静、トニーは教養がなく礼儀もないが人情があり人望も厚い
トニーが、シャーリーのピアノをはじめて聴いた場面が印象的。
そこが心の交流の起点であったように見えた。
肌の色も、使う言葉も、教養の量も、違う、そんな彼らを繋いだのは、音楽だった。
遠い存在のように思えたシャーリーから、演奏されるピアノを通して、心の奥底に通底する何かをを感じたのだろう。
違ったのは、表面上だけ。
表面上の違いにとらわれず、心のバイブスを感じるアンテナを持っているトニーは、素敵であるな、と。
コメディを撮っていた監督が描いただけあって、差別の題材がありつつも、ある程度ライトに見ることができる。
そんな監督が作り出した笑いは、教養の違いからくる会話の違いだった。
教養のないトニーは、シャーリーの言葉を理解できず、トンチンカンなことを言ったりする。
人間同士のあらゆる違いを、適切な笑いで包み込むというのは1つの技量でもあるし、人間力のようにも思える。
そういう部分も、1つの”教養”なんじゃないかな、と思ったり。
トニーのことを、「教養のない」という風に形容しはしたが、
自分としては、その表現には、待ったをかけても良いかもしれない。
なぜなら、トニーは、人間としての教養を身につけている人とも言えるから。
私ごとですが、人同士の違いを埋め得るものは、音楽か赤ちゃんのどちらかだなと思ったりしてます。